症例紹介
子宮蓄膿症のために子宮卵巣を摘出した犬(子宮卵巣摘出術)
2023/08/02/
主訴
一週間前からおやつは食べるが、フードの食いつきが悪くなったと来院されました。
昨日から発情出血が見られる。なんとなく動きもゆっくりで痩せた気がする。飲水量は変わった気はしないとのことでした。
※受診時の視診・触診から陰部からの血様膿物の排出がみとめられました。
検査
超音波検査および血液液検査などを行ったところ、子宮に膿が溜まる、「子宮蓄膿症」を疑い手術を行うこととなりました。
治療:外科手術
全身麻酔下でお腹を開け、膿の貯留により大きく膨れた子宮(写真①)が確認されました。
子宮および卵巣を摘出し、お腹を閉じました。
写真②は術創(本例は大型犬で術創も大きかったので皮膚縫合しています)、写真③は切除した子宮卵巣です。
獣医師からのコメント
子宮に膿が溜まってしまう子宮蓄膿症は命にかかわる病気です。治療は基本的に緊急手術(基礎疾患の有無にもよりますが卵巣子宮全摘出術)となりますが、膿の中の細菌が全身に回ってしまうと手術中も術後も危険な状態となりうるため、子宮蓄膿症の診断・治療は迅速に行いたいところです。 避妊手術をしていないワンちゃんで、
- ・多飲多尿(飲水量および排尿量が増える症状)
- ・“おりもの”が膿みたい(透明でも臭いがきつい例も)
- ・発熱や下痢などの体調不良(他の病気でもありえますが、ちょうど発情期と重なる)
などの症状が有名ではありますが、一見元気な子でも隠し持っていることがありますので、気になる事がある際はご相談下さい。状態に応じて各種検査(血液検査やエコー検査)をご提案させていただきます。
鴨宮動物病院では、健康診断やワクチンなどの予防医療から外科手術までを幅広く診療対応しております。