症例紹介
膀胱結石を摘出した犬 (膀胱切開術)
2023/08/03/
主訴
数日前から頻尿、血尿がみられるとのことで受診されました。
検査
超音波検査、X線検査(写真①)と尿検査を行ったところ、膀胱内に結石を疑う所見を認めました。
結石の大きさと数から内科療法(フードや抗生剤)よりも外科療法が勧められると判断し、手術を提案しました。
治療:外科手術
全身麻酔下で膀胱を切開して結石を摘出し、膀胱を縫合しました(写真②)。
摘出した結石が写真③で、摘出後の術創が写真④です。
獣医師からのコメント
術後の結石分析により「シュウ酸カルシウム」の結石と判明しました。
この結石は溶けないタイプの石なので、手術で取り出すしか治療法がありません。
この結石は、フードを変えることでできにくくなる子もいれば、体質的にできやすく生涯付き合わなければいけない子もいるため、術後も経過には注意が必要です(個体によっては何度も手術が検討される事があります)。
また、膀胱にある石が排尿により尿道に移動した場合、尿道の細くなっている部分に詰まって閉塞を起こす(尿道閉塞)ことがあります。その場合は、尿が出せなくなってしまい、早急に対応しないと命の危険性があります。
この子は症状があったために発見できましたが、症状が必ずしも出るとは限らないため、定期健診の一つとして尿検査をご検討いただければと思います。
鴨宮動物病院では、健康診断やワクチンなどの予防医療から外科手術までを幅広く診療対応しております。